いつもお歳暮をくれるおばあちゃんへ
|
|
感謝の気持ちをこめてご飯を作りに行く事にしました。
それこそおばあちゃんがお歳暮で送ってくれた「ハム」を使った
料理を作ってあげようとレシピ本を持参して行く事にしました。
初めておばあちゃんにご飯を食べてもらうという緊張からか
思うように包丁が握れなくてあたふたしてしまったのを思い出します。
そんな危なっかしい様子の私を見て、「ばあばも手伝うね」と
料理を手伝ってくれました。その日、初めておばあちゃんと
2人でご飯を作りました。それはとても簡単な「ベーコンエッグ」
だったのですが、おばあちゃんと2人でつくったおかげか、
いつもよりも数倍も美味しく感じました。
しかし一人で作る気でいた私は満足できずに、
次こそは絶対に一人で作って見せるからねと宣言をしました。
それから数ヶ月後、練習した腕前を無事おばあちゃんに見せて
あげる事ができ、とても満足をした記憶が有ります。
あの頃から私は頑固で、負けず嫌いだったんだなと思いました。
おばあちゃんはそんな私の姿を見てとても幸せそうにこう言いました。
「そんなに上手くならなくていい、上手くなってしまったら、
私ではなくて他に作る人ができてしまうから」と寂しそうに
言っていました。私は何の事かわらかなくて、今その言葉の意味を
知ることができましたが、死ぬまで私はおばあちゃんにご飯を
作って食べてもらいたいという気持ちは変わりませんし、
おばあちゃんもきっと私がずっと傍にいてくれる事を願っていると思います。
|
|
|